動物病院のホームページ作成費用は経費?資産?|税務処理の判断ポイントを解説

動物病院がホームページを作成した場合、その費用は**原則として一括で経費処理(広告宣伝費)**として問題ないケースが多いです。
ただし、ホームページの内容や目的によっては、繰延資産やソフトウェア(無形固定資産)として資産計上する必要があるケースもあります。
本記事では、その判断基準や具体的な勘定科目の取り扱いを解説します。
基本的な考え方
ホームページ作成費用の税務処理は、
そのホームページが「広告目的」か「機能付きシステム」かなど、内容・性質によって分類されます。
① 一括費用計上できるケース(広告宣伝費など)
以下のようなケースでは、その年の必要経費として全額損金計上(広告宣伝費等で経費にしてOK)が可能です。
- 開業案内・診療案内が中心
- HPの更新・修正・保守
- キャンペーン用のPL制作
▶ ポイント:
患者向けの情報提供や集客目的であることが明確であれば、広告費として取り扱われます。
② 資産計上となるケース
▼ 繰延資産(5年以内の均等償却)
長期利用目的で更新を予定しないようなコーポレートサイト
→繰延資産として資産として計上し5年に分けて経費にします。
▶ 例:企業紹介ページ、沿革、院長挨拶、理念などを含む、デザイン性が高く高額なサイト。
▼ ソフトウェア(無形固定資産・5年償却)
以下はソフトウェアとして資産計上して5年定額償却
- Web予約・問診システムの開発や組込み
- 独自開発されたアプリや機能付きHP
- AIで回答などができるチャットシステム
▶ ポイント:
プログラム開発が含まれる場合は「ソフトウェア」として扱う必要があります。
③ 注意点・アドバイス
- 契約書や請求書の明細(例:デザイン費、開発費、保守費など)は必ず保管。
- 更新費・ドメイン費・保守費などは継続的支出として、通常は**費用処理(通信費や雑費)**でOK。
- 税務調査では「広告費 vs 資産」の判断が争点になりやすいため、明確な証拠が大切です。
税務処理 まとめ表
タイプ | 税務処理 | 勘定科目 | 備考 |
---|---|---|---|
診療案内・集客用HP | 一括費用処理 | 広告宣伝費 | 患者向けページ中心 |
キャンペーン用LP | 一括費用処理 | 広告宣伝費 | 期間限定で使用されるもの |
コーポレートサイト | 資産計上 | 繰延資産 | 5年以内で均等償却 |
Web予約・問診フォーム付きHP | 資産計上 | ソフトウェア(無形資産) | 5年定額償却 |
HP保守費用・ドメイン更新費等 | 一括費用処理 | 通信費/雑費など | 継続的支出は費用処理で対応 |