税務調査のターゲット!外注費と給与の危険な境界線
「手間請けの職人さんやフリーランスに支払うお金は、全部『外注費』でいいよね?」 もしそう考えているなら、少し危険かもしれません。
実は、税務署は「外注費」という名目で支払われているお金を、「これは実態としては『給与』だ」と認定し直すことがよくあります。もし「給与」だと判定されると、消費税の控除が受けられなくなるだけでなく、源泉所得税の徴収漏れとして多額の追徴課税を課されるリスクがあります。
では、一体どこが「境界線」になるのでしょうか?
1. 形式ではなく実態で判断される
契約書に「外注契約」と書いてあっても、税務署は中身を見ます。判断基準は主に以下の5つのポイントです。
① 指揮命令を受けているか?
- 外注費: 仕事の完成を約束するもので、具体的な作業手順まで細かく指示されない。
- 給与: 「何時から何時まで、この手順でやって」と、時間や場所、方法を細かく拘束されている。
② 道具や材料はどちらが負担しているか?
- 外注費: 自分の道具(パソコン、工具)を持ち込み、消耗品も自分で用意する。
- 給与: 会社が用意した道具を使い、材料費も会社がすべて負担している。
③ 代わりの人が作業してもいいか?(代替性)
- 外注費: 「仕事が終わればOK」なので、その人が忙しければ別のスタッフを行かせても問題ない。
- 給与: 「その人自身の労働」が求められており、勝手に代わりの人を立てることはできない。
④ 損害のリスクを負っているか?
- 外注費: 作業中に壊してしまった、あるいはやり直しになった場合、その損失は外注先が負担する。
- 給与: ミスをしても給料は基本的に支払われ、会社が損害をカバーする。
⑤ 請求書があるか?
- 外注費: 毎月、外注先から「請求書」が発行され、それに基づいて支払う。
- 給与: タイムカードなどで時間を管理し、会社側が計算して支払う。
2. もし給与と認定されたらどうなる?(追徴課税の恐怖)
「外注費」から「給与」に否認されると、ダブルパンチの税金が発生します。
- 消費税の支払い: 外注費なら消費税を差し引けますが、給与になると差し引けません。その分を丸ごと納める必要があります。
- 源泉所得税の納付: 給与として天引きすべきだった所得税を、会社が肩代わりして支払わなければなりません。
これに加えて、延滞税などのペナルティが加わります。数年分まとめて指摘されると、数百万円単位の損失になることも珍しくありません。
外注として守るべき3つのルール
税務調査で堂々と「これは外注です」と言えるように、以下の準備を徹底しましょう。
- 業務委託契約書を交わす: 契約内容を明確にします。
- 請求書を必ず受け取る: 支払いの根拠を形に残します。
- 「出来高」での支払いを検討する: 時給ではなく「1件いくら」「1現場いくら」という設定にすると、外注らしさが強まります。
まとめ
「外注費か、給与か」の判断は非常に繊細です。
ひとり親方さんや建設現場では安易に外注ときめて(または相手が外注希望だから)しまうことが多くあります。
相手が行っているからOK、こちらが外注にしたいから外注といった決め方はとても危険です。
現実には、そうなっていることがおおいのではないでしょうか。
改めて考える一助になればと思います。
