川端税理士事務所|秋葉原

親族だけの会社の社員旅行は経費になる?

社員旅行は経費になる?

親族だけの社員旅行、経費にできる?
税理士がQ&Aで徹底解説!

Q1. 親族だけの社員旅行でも、経費として認められますか?

A. 原則として認められませんが、例外もあります。
家族や親族だけで行う旅行は、通常「家族旅行」と見なされ、経費として認められません。

しかし、旅行が事業遂行上必要であると客観的に判断できる場合、経費として認められる可能性があります。

Q2. どうして経費として認められないのですか?

A. 以下のように認定されるため通常は経費として認められません。

  • 旅行の目的が家族の親睦や観光である場合。
  • 業務との関連性がなく、事業遂行上の必要性が認められない場合。
  • 参加者が家族や親族のみで、第三者の従業員や取引先が含まれていない場合。

例えば、名古屋高裁の判例では、家族のみで行った旅行が「サラリーマンの家族旅行と変わらない」と判断され、経費として認められませんでした。
つまり会社で社員旅行が認められるからOKというわけではなく、家族旅行は会社で行ってもプライベートで行っても認められないということです。
ただ逆の意味で言うと第三者がいれば福利厚生として経費計上できる可能性が残ることになりますね。

Q3. どのような場合に経費として認められるのですか?

A. 以下の条件を満たす場合、経費として認められる可能性があります。

  • 旅行の目的が市場調査、研修、取材、営業開拓など、事業遂行上必要であること。
  • 旅行先や日程が業務に関連しており、観光が主目的でないこと。
  • 参加者に家族以外の従業員や取引先が含まれていること。
  • 旅行の費用が社会通念上、常識的な範囲内であること。

また、旅行の目的や内容を明確にし、証拠書類を整備することが重要です。
個人事業や親族がほとんどの会社は、まず家族旅行といわれますのでそれに対する反論は必ず準備する必要があります。

準備できなければそれは、家族旅行です・・

Q4. 経費として認められるために必要な証拠書類は何ですか?

A. 以下のような書類を準備・保管してください。

  • 旅行の企画書や計画書。
  • 訪問先のパンフレットや資料。
  • 現地での写真や動画。
  • 訪問先の担当者の名刺や連絡先。
  • 旅行後の報告書やレポート。
  • 領収書や請求書などの費用明細。

これらの書類を整備することで、税務調査時に旅行の業務関連性を説明しやすくなります。
社員旅行のしおりなど作成する会社もいらっしゃいます。修学旅行のようでいいと評判も良かったりします。

Q5. 家族だけの社員旅行を経費として計上する際の注意点はありますか?

A. 以下の点に注意してください。

  • 旅行の目的が業務遂行上必要であることを明確にし、主観的な理由ではなく客観的な証拠を用意すること。
  • 旅行の内容が業務に関連していることを示すため、観光や娯楽が主目的とならないようにすること。
  • 旅行の費用が社会通念上、常識的な範囲内であることを確認すること。
  • 家族以外の従業員や取引先が参加している場合、その人数や役割を明確にすること。

これらの点を踏まえ、旅行の計画段階から慎重に準備を進めることが重要です。

親族だけの社員旅行を経費として計上するには、旅行の目的や内容が業務遂行上必要であることを客観的に示す必要があります。旅行の計画段階から証拠書類の整備を行い、税務調査時に適切に説明できるように準備を進めましょう。

Q6.相談事例での回答ありますか?

弊社でこういった相談をいただいた場合はケースによりますが以下のように回答します。

誤解を恐れずに端的に言うと、親族のみの会社の社員旅行は認められず、認められるとすれば従業員や取引先がいる場合です。
その場合も経費とするのは難しいため証拠書類が必ず必要です。
YouTubeなどで社員旅行(家族旅行)を経費にしよう!という甘い言葉には注意が必要です。

また、これとは別に研修や出張については旅行ではありませんので経費として認められます。

余談ですが、旅行は宿泊者名簿が残りますので税務調査の際はホテルへ問い合わせして宿泊者名簿と照らし合わせされます。
出張と言っていたのに宿泊者名簿は大人2人、子供1人だった・・なんてこともあります。これは脱税となりますので重加算税の対象となりますのでご注意ください。

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