個人事業主・経営者が陥る「ふるさと納税」の落とし穴
「ふるさと納税は節税になるから、上限ギリギリまで寄付したほうがお得!」 そう考えて、毎年早めに準備されている方も多いのではないでしょうか。しかし、個人事業主や経営者の場合、会社員と同じ感覚でいると「節税のはずが、単なる高い買い物になってしまった」という失敗が非常に多いのも事実です。
今回は、弊社の現場で実際によくある「落とし穴」についてお話しします。
1. 「去年の利益」を基準にするのは危険
会社員と違い、事業主の利益は12月31日まで確定しません。 「去年これくらいだったから」と前年の利益をベースに寄付をしてしまい、いざフタを開けてみたら当期の利益が下がっていた……という場合、上限オーバー分はすべて自己負担となってしまいます。
2. 「節税」がふるさと納税の上限を押し下げる
ここが最も盲点となるポイントです。
- 小規模企業共済やiDeCoへの加入
- 住宅ローン控除の適用
- 医療費控除の申告
これら他の節税策を頑張れば頑張るほど、課税所得が減り、比例して「ふるさと納税ができる上限額」も下がります。 ネットの簡易シミュレーターで「売上」だけ入力して計算すると、これら控除分が反映されず、上限を高く見積もりすぎてしまうのです。
【弊社で一番多い失敗例】決算まぎかの「経費計上」
実際に弊社のクライアント様で最も多いのがこのパターンです。
9月〜10月頃の利益予測をもとに「今年はこれくらい納税額があるから、ふるさと納税をこれだけやろう」と早めに寄付を行われます。しかし、いざ決算が近づくと、「節税のために必要な設備投資をしよう」「来期のための広告宣伝費を使おう」と、駆け込みでしっかりと経費を使われることがあります。
その結果、最終的な利益が予想より大幅に下がってしまい、「結局、ふるさと納税をやりすぎてしまった(自己負担が増えただけだった)」という結果になってしまうのです。
税理士が「少し少なめ」に金額を伝える理由
こうしたリスクがあるため、弊社ではクライアント様に推奨額をお伝えする際、あえて「予測される上限よりも少し少なめの金額」をご案内するようにしています。
せっかくの節税対策が、計算違いで損になってしまっては元も子もないからです。
最近の困った傾向……「上乗せ寄付」にご用心
しかし、最近は「税理士は少なめに言っているはずだ」と予測して、ご自身の判断で少し多めに寄付を上乗せしてしまう方が増えており、正直なところ少し困っています(苦笑)。
良かれと思って上乗せした結果、決算を締めてみたら「やっぱりやりすぎ」で足が出てしまった……というケースが散見されます。
まとめ
ふるさと納税は楽しい制度ですが、事業主様にとっては「守り(保守的な金額)」で進めるのが、最終的に最も損をしない賢い選択です。
「自分の場合はいくらが最適?」「この経費を使ったら上限はどう変わる?」と不安な方は、ぜひお早めにご相談ください。
