役員賞与の支給はできる?できない?
役員賞与の支給は原則ダメ
役員賞与は原則として支給できません。(経費になりません。)
役員は委任契約ですから、「年間で年額〇〇万円」と決めたものを12分割して支払う必要ものが役員報酬となります。
また、その役員報酬も決算後3か月以内に決定する必要があるので、新しい期が始まって次の決算まで9か月もある状態で役員報酬を決定する必要があるということになります。
役員賞与の支給を経費にする方法
そうなると賞与を支給すれば良いじゃん!となるところなのですが、前述通り役員賞与は認められていません。
支給したとしても経費になりません。
ですが一定の要件を満たすとこの役員賞与を支給することができるようになります。
事前確定届出給与とは?
それを正式には「事前確定届出給与」といいます。
この事前確定届出給与は、事前に届出をすることによって支給できる役員賞与です。
その届出期限は以下のようになります。
区分 | 届出提出期限 |
---|---|
(1)株主総会や社員総会等の決議によって定めた場合 | その決議の日から1月を経過する日or会計期間開始の日から4月を経過する日の早い方 |
(2)新設法人の場合 | 設立の日以後2月を経過する日 |
(3)臨時改定により新たに定めをした場合 | (1)の期限or臨時改定事由が生じた日から1月を経過した日の遅い日 |
一番分かりやすいのは役員報酬の決定が決算後3か月以内ですから、同じ時に賞与についても決めてしまうほうがよいでしょう。
そして、この役員賞与については税務署へ上記期限内に届け出ることによって支給することができます。
例えば、12月10日に100万円、7月10日に50万円といった感じで事前に届出を行います。
そして、この届出通りに支給すれば賞与として経費計上が可能になります。
注意したいのは、先ほどの例で言うと12月10日に80万円だけといった支給はできないということです。
届け出た通り(日付金額ともに)に支給しなければいけません。
まとめ
この制度をうまく利用して法人の利益と個人の所得のバランスを上手くとることがとても大切になりますので、役員報酬決定の際は賞与も決められるんだというのを、ぜひ、覚えておいてもらえると良いかと思います。