川端税理士事務所|秋葉原

【第1回】店舗兼住宅を貸す場合にインボイスは必要?空室リスクに要注意

1階が店舗、2階以上が住宅という「店舗兼住宅」の物件は、不動産オーナーにとってよくある形です。
インボイス制度が始まってから、「この場合、インボイスが必要なのか?」と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。

消費税はご存じの通り、住宅部分は非課税、店舗部分は課税となります。
そして今すぐインボイス登録が必須ではないものの、空室リスクを考えると将来的には対応が必要になってくる可能性が高いです。

住宅部分と店舗部分で異なる消費税の扱い

  • 住宅部分(2階以上) → 消費税は非課税。インボイスは不要。
  • 店舗部分(1階) → 消費税の課税取引。借主が法人や課税事業者であればインボイスを求められることが多い。

👉 店舗兼住宅の戸建てのような場合は、契約書を「1階店舗部分は課税」「2階以上は非課税」と分けて明記しておくと、後々の税務処理や交渉でトラブルを避けられます。

インボイスは必須ではないが…

現在の借主が「インボイスはいらない」と言っているのであれば、オーナーが無理にインボイス登録する必要はありません。
ただし注意したいのは、物件が空いたときです。

  • 新しい借主が法人や課税事業者の場合、インボイスが発行できない物件は敬遠されやすい
  • 「仕入税額控除ができない」ことが、入居の妨げになる可能性がある

つまり、空室リスクを減らすためには、インボイス対応が大きな意味を持つのです。
実務的な話で言いますと、消費税のインボイス制度は複雑な内容であることもあって会社経営者でも理解していないケースがほとんどです。
そのためインボイスがない場合は契約してはいけないというイメージや他の経営者が言っていたからといったことでインボイス登録のない物件を外して検索することも考えられますね。

実務的な注意点

  1. 契約の明確化
    契約書で「店舗部分=課税」「住宅部分=非課税」と区分すること。
  2. 現借主の意向確認
    現在の借主が不要と言えば、慌てて登録する必要はありません。
  3. 将来の空室リスクに備える
    今後、法人テナントを見据えるならインボイス登録を検討しておくことが得策。

まとめ

  • 店舗兼住宅は、1階店舗部分は課税、2階以上の住宅部分は非課税
  • 借主が不要なら今すぐ登録は不要。
  • ただし、空室になったときにインボイス非対応だと入居者が見つかりにくくなる可能性大
  • 将来的には「インボイス対応済み」が事実上の必須条件になると考えておいた方が安心です。

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