川端税理士事務所|秋葉原

【第10回】不動産賃貸・アパート経営における相続税対策の基本

不動産賃貸やアパート経営をしているオーナーにとって、避けて通れないのが 相続税 です。
現金よりも不動産の方が相続税の評価額を下げられるとはいえ、対策を怠ると大きな税負担に直面することもあります。
今回は、不動産オーナーが知っておくべき相続税対策の基本を整理します。

なぜ不動産は相続税対策になるのか

  • 現金より評価が下がる
    • 現金:100%評価
    • 不動産:路線価・固定資産税評価額ベースで評価 → 実勢価格より低めになる
  • 貸家建付地の評価減
    • 賃貸中の土地は「貸家建付地」として評価減が可能
  • 小規模宅地等の特例
    • 居住用・事業用の土地について最大80%評価減

不動産オーナーが取れる相続税対策

1. 賃貸物件の活用

  • アパート・マンション経営で「貸家建付地」として評価減
  • 建物自体の評価も固定資産税評価ベースになるため圧縮効果あり

2. 生前贈与の活用

  • 暦年贈与(110万円の基礎控除)
  • 相続時精算課税制度(2,500万円まで非課税)
  • 不動産を早めに移転しておくことで、将来の相続財産を減らす

3. 法人化による分散

  • 法人で所有すると、オーナー個人の相続財産を圧縮できる
  • ただし法人化にはコストや管理の手間もあるため、事前シミュレーションが必須

4. 生命保険の活用

  • 500万円×法定相続人分まで非課税枠あり
  • 納税資金を準備する手段として有効

実務上の注意点

  • 相続税対策は「税金を減らす」だけでなく「納税資金を準備する」視点も重要
  • 物件の収益性や将来の管理体制を無視した相続対策は失敗のもと
  • 税理士や不動産専門家に早めに相談することが成功のカギ

まとめ

  • 不動産は現金より相続税評価が下がるため、相続税対策として有効
  • 賃貸物件の活用、生前贈与、法人化、生命保険など複数の手段を組み合わせることがポイント
  • 節税と同時に、納税資金と管理体制まで考えた総合的な相続税対策が必要

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