川端税理士事務所|秋葉原

iDeco(イデコ)とは?

日本では、老後2,000万円問題などが政府から公言され、老後の資産形成としてiDeCoや積立ニーサなどを始める人が増えてきております。

本稿ではこの資産形成に役立つものであるiDeCoについて解説していきたいと思います。

 

iDeCoとは

iDeCoとは、公的年金とは別枠で老後の給付を受けることができる私的年金制度の一つとなります。

加入義務については公的年金とは異なり、任意となっております。

加入の申込みや掛金の拠出などを全て自分で行い、掛金とその運用益の合計額から、老後に年金給付を受け取ることができる制度になります。

iDeCoは加入が義務付けられている国民年金や厚生年金などと組み合わせることで、老後生活をより豊かに送ることが出来る制度となります。

 

iDeCoのメリット

iDeCoのメリットとしては、以下の3つのプロセスで税制上の優遇措置が設けられております。

・積立時

・運用時

・受取時

 

まず、積立時における税制上の優遇措置として、掛金に対して所得控除が適用できる点です。

iDeCoで積み立てる掛金は、全額が所得控除の対象となります。

節税額については、掛金やその人の所得税率によって変わりますが、積立期間中は毎年所得控除が適用されるため、節税効果は大きくなります。

 

また、iDeCoは運用時においても節税効果があります。

一般的に預金利息や配当金を受領した場合には、20.315%の税率が課税されます。

しかし、iDeCoの場合には運用時に得られた運用益は税金が一切かかりません。

本来であれば税金として差し引かれた金額がそのまま再投資されるので、非常に有利なものになっております。

 

さらに、iDeCoでは受取時にも税制上の優遇措置があります。

iDeCoで積み立てた資産は60〜75歳の間に、分割で受け取るか、一括で受け取るか自分で好きな受け取り方を選択することが可能です。

 

分割で受け取る場合は公的年金等控除が適用されることになります。

一括で受け取る場合には退職所得控除が適用されることになります。

iDeCoを適用した場合には、受取時にいずれか好きな受け取り方を選択できるため、公的年金等控除もしくは退職所得控除により税負担を軽減することが可能になります。

 

iDeCoのデメリット

iDeCoは上述したメリットの反面、デメリットも挙げられます。

デメリットとしては下記内容になります。

・原則60歳まで引き出すことができない

・元本割れのリスクがある

・手数料が発生する

・掛金に上限がある

 

iDeCoは掛金の引き出しについて、加入者が病気や怪我により障害を負った場合や死亡した場合を除き、原則として60歳になるまで掛金を引き出すことができません。そのため、結婚や住宅購入など大きな支出に備えることが出来るように考慮する必要があります。

 

また、iDeCoはあくまでも投資であるため、購入代金よりも下回るといった、元本割れのリスクがあることも把握しておく必要があります。

 

iDeCoは資産運用時には手数料が発生します。

手数料は、加入・移換時にかかる手数料や口座管理手数料が発生します。

口座管理手数料は毎月支払う必要がありますので、その点についても理解しておく必要があります。

 

iDeCoの毎月の掛金には制限があります。

会社に企業年金がない会社員であれば上限金額は23,000円と設定されているため、好きなだけ投資することは出来ません。

 

iDeCo開始手続きの流れ

ここでは実際にiDeCoを開始するにあたり、開始手続きの流れを以下で解説します。

 

①申込書類を取り寄せる

iDeCoの運営管理機関の窓口やウェブサイトから、加入申出書などといった手続きに関する資料を取り寄せます。

注意点としては、勤務先が企業型確定拠出年金を導入している場合には、iDeCo へ加入できない可能性があるため、会社員である場合には資料を取り寄せる前に勤務先の経理担当者などへ企業型確定拠出年金に導入しているかどうか確認しておく必要があります。

 

②iDeCo運営管理機関を決める

iDeCoへ加入する際に、どこの運営管理機関で加入するか決定します。

運営管理機関は多くあるため、運用商品の種類や手数料の金額などから、口座開設する運営管理機関を決定します。

 

③運用商品を決定

iDeCoにより購入する運用商品を決定します。

 

④加入申出書を運営管理機関へ提出する

iDeCoへ加入するために、加入申出書を提出します。

会社員や公務員の方は「事業所登録申請書 兼 第2号加入者に係る事業主の証明書」の記入を勤務先へも記載して頂く必要があります。

 

⑤国民年金基金連合会の審査

運営管理機関はiDeCoを統括する国民年金基金連合会へ加入するために必要な書類を提出します。

書類審査に合格すると、申し出者宛てに記録関連運営管理機関から「口座開設のお知らせ」が、また国民年金基金連合会から「加入資格確認結果通知」が届きます。

 

⑥初回掛け金の引き落とし

iDeCoの掛け金引き落とし日は、毎月26日となっています。

初回の引き落としは、申込書類が運営管理機関に到着する日によって異なりますが、申し込み月の翌月26日に1ヵ月分、もしくは翌々月の26日に2ヵ月分の掛け金が引き落とされる事になります。

 

以上がiDeCoを開始するための一連の流れになっています。

 

結論

以上がiDeCoについての内容になります。

iDeCoを始めるにあたり、メリット・デメリットがあるため、これらについて十分に理解した上で始める事をおすすめします。

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