中小企業の資金繰り管理は通帳だけで十分？キャッシュフロー計算書が不要な理由
kawabata
中小企業の経営において「キャッシュフロー計算書を作成し、資金繰りを把握しましょう」というアドバイスを受けることがあります。
しかし、実際の現場では、キャッシュフロー計算書よりも“通帳ひとつ”で資金繰りを管理する方が効果的なケースも多いのです。
本記事では、中小企業が現実的に取り組める資金繰り管理方法として、通帳管理の重要性と実務的なメリットをご紹介します。
通帳ひとつで資金繰りが見える理由
1. シンプルでわかりやすい
通帳を一本化すれば、入出金の全体像がひと目で把握できます。
複雑な会計知識がなくても「いくら入って、いくら出ていったか」が明確になります。
2. 実際の資金残高が即確認できる
キャッシュフロー計算書では売掛金・買掛金などの影響もあり、現金残高とずれることがあります。
一方、通帳は「今あるお金」のリアルな金額を示すので、経営判断に直結します。
3. 経理業務が効率化される
複数の銀行口座を管理すると仕訳や記帳が煩雑になりがちですが、口座を一つにまとめることで作業量も大幅に削減できます。
4. 融資や助成金の相談がしやすくなる
通帳一本化は、金融機関とのやり取りでも有利に働きます。
「この通帳がすべてです」と言えるだけで、資料の提示も説明もスムーズです。
キャッシュフロー計算書に頼りすぎるリスク
- 会計処理が前提なので、内容を理解するのが難しい
- 実務と乖離しやすく、毎月の作成には手間と時間がかかる
- 実際の資金繰りとはリンクしにくいこともある
キャッシュフロー計算書は「制度会計の一部」であり、日々の資金繰りをリアルに把握するツールとしては不向きな面があります。
中小企業におすすめの資金繰り管理法
● 通帳を一本化する
資金の出入りを一か所に集中させるだけで、現状把握が圧倒的に楽になります。
● Excel等で簡単な資金繰り表をつける
今後の入金予定・支払予定を一覧にするだけでも、資金ショートの予防に役立ちます。
● キャッシュフロー計算書は必要な時だけ作成する
銀行や外部に提出が求められる場面に限定し、日常の資金管理とは切り離すのが賢明です。
まとめ
中小企業の資金繰りは、キャッシュフロー計算書がなくても管理できます。
むしろ、通帳一本にまとめるシンプルな方法こそ、現場で役立つ実践的な資金管理術です。
大切なのは、複雑な会計処理ではなく、日々の現金の動きを正しく把握し、的確に判断すること。
現実に即した方法で、堅実な資金繰りを実現しましょう。
