川端税理士事務所|秋葉原

第1回:動物病院の開業資金と会計の基本

動物病院開業の注意点シリーズ
これから動物病院を開業する先生に向けて、資金計画・人件費・税務・棚卸・節税・事業承継まで、開業前後に押さえておきたい注意点をシリーズで解説しています。

動物病院を開業するにあたり、もっとも気になるのが「どのくらい資金が必要なのか」「会計や税務はどう整えておくべきか」という点です。この記事では、開業前に知っておきたい資金の目安と会計の基本を整理します。

開業資金はいくら必要?

動物病院の開業にかかる資金は、立地や規模によって差がありますが、3,000万〜5,000万円程度が一般的です。内訳は以下のようになります。

  • 内装工事費:1,000万〜2,000万円
    → 診察室、手術室、待合室の整備。清潔感や動線が重要です。
  • 医療機器購入費:1,000万〜1,500万円
    → レントゲン、エコー、手術機器など。中古をうまく使うケースも。
  • 薬品・消耗品仕入れ:200万〜300万円
    → 開業直後は現金支出が大きくなります。
  • 運転資金:500万〜1,000万円
    → 開業してすぐに黒字化することは少なく、数か月の資金繰りを見ておく必要があります。

資金調達の方法

多くの先生は、自己資金と併せて日本政策金融公庫や銀行の融資を利用します。
また、条件が合えば自治体の創業融資や補助金を活用できる場合もあります。

  • 自己資金:全体の2〜3割が理想
  • 金融機関融資:返済計画を事前にシミュレーション
  • 補助金:IT導入補助金や事業再構築補助金など

会計の基本体制

開業したら、資金の流れをきちんと整理しておくことが重要です。おすすめは以下の3点です。

  1. 通帳は1本化
    → プライベートと事業を完全に分け、会計処理をシンプルに。
  2. 領収書・請求書は必ず保存
    → 薬品や医療機器の領収書は税務調査でも重要資料になります。
  3. クラウド会計や税理士の活用
    → freeeやマネーフォワードなどのクラウド会計を導入し、月次で数字を確認できる体制を整える。

まとめ

動物病院の開業資金は大きな金額になりますが、事前に資金計画と会計体制を整えておけば、安定した経営につながります。
特に会計や税務は専門性が高いため、動物病院に強い税理士に早めに相談しておくことをおすすめします。

関連記事

動物病院の開業医におすすめ!小...

【動物病院の先生必見】法人化す...

院長先生の講演・原稿・他院勤務...

第2回:動物病院の人件費と社会...

第3回:動物病院と消費税の注意...

上部へスクロール