第5回:ひとり親方の資金繰りと融資のポイント

なぜ資金繰りが重要か
ひとり親方は会社員と違い、毎月安定した給与が入るわけではありません。
工事の出来高払い・請求から入金までのタイムラグなどにより、手元資金が一時的に不足するリスクがあります。
資金繰りをしっかり管理することが、経営を続ける上で非常に重要です。
資金繰りの基本管理
- 入出金を把握する
- 売上予定(請求書発行日・入金日)をカレンダー化
- 経費やローン返済の支払日を一覧化
- 通帳を1本化する
- 仕事用口座を分け、事業の入出金を一本化
- 資金の流れを「見える化」することで融資審査にも有利
- 資金繰り表を作成する
- 月単位で「売上見込み」「支払予定」「残高」を管理
- 将来の資金ショートを事前に予測できる
融資を受ける際のポイント
- 決算書・確定申告書が重要
- 銀行は「数字」で判断するため、正確な申告書の提出が必須
- 税金・社会保険料を滞納しない
- 滞納歴があると信用力が大きく下がる
- 取引実績を積む
- 日頃から取引している銀行・信用金庫に相談するのが有利
- 制度融資・公的融資を活用
- 日本政策金融公庫の「新創業融資制度」
- 各自治体の「制度融資(保証協会付き)」
建設業特有の注意点
- 前払金や出来高払いで資金が偏るため、入金予定と支払予定のズレを調整することが必要
- 大きな工具や車両を購入するときは、融資を活用してキャッシュフローを守るのが基本
まとめ
ひとり親方が安定して事業を続けるには、
- 資金繰り管理を徹底する
- 融資に備えて帳簿・申告を正しく整える
- 公的制度をうまく活用する
この3つが大きなポイントです。