税理士が教える会社員の節税
我が国は財政難であり、国の借金も年々増加傾向になっています。
そこで国は税収を少しでも増やすために税金や社会保険料などを増加し、国の借金を減らすように政府は色々な対策を考えております。
しかし、一人一人の経済力は弱まり、国は国民の老後の事まで面倒を見切れなくなってきており、自分の面倒は自分で見なくてはいけない状況です。
そこで、国側としても国民自身が老後の生活資金を確保出来るように、積立てNISAやiDeCoなど税制優遇される制度を設けております。
一般的にこういった税制優遇と聞くと、法人や個人事業主しか出来ない制度と思う方も多いですが、今回は会社員でも利用できるおすすめの節税方法を解説していきたいと思います。
目次 ▲
◆会社員の納める税金について
会社員が1年間で稼いだ収入から一定の計算をすることにより税金を納める事になります。
会社員が納める税金は「所得税」といい、この所得税を計算する方法は下記の通りです。
・収入-経費=所得
・(所得-所得控除)×税率=所得税
・所得税-税額控除=所得税(最終的に納める税額)
このように会社員が納める所得税を計算するにあたって、以下では所得控除を利用したものや、税額控除を利用したものなどが挙げられます。
◆会社員が利用できる節税方法!
〇ふるさと納税を利用する節税方法
国や都道府県、市町村などへ寄付をすることによって、所得控除の対象となり、節税の対象となります。
ふるさと納税の場合、寄付先から交付を受けた寄付金控除証明書を、確定申告書に添付し、確定申告をすることによってその年に支出した寄付金の合計額から2,000円を差し引いた金額を所得税及び住民税から控除することが出来るため、節税につながります。
(ワンストップ特例制などにより所得控除の対象にすることもできますが、ここではその方法は割愛させていただきます。)
〇医療費控除を利用する節税方法
その年(1月1日から12月31日までの暦年)において、医療費の支払いが一定の金額を超えて多額になる場合、所得控除として所得税を抑える節税方法として「医療費控除」があります。
この医療費は、自分だけに限らず、生計を一にする家族の分の医療費も含むことが出来ます。
この医療費控除は、その年に実際に納付した金額を控除することが出来るため、生命保険などに加入していて保険金収入を得ている場合や、健康保険などから受けた高額療養費等がある場合には、これらの受け取った金額を支払った医療費から差し引く必要があります。
医療費控除の控除額は、10万円もしくは所得の合計額が200万円までの方は、所得の合計額の5%を超える医療費の金額が医療費控除として所得税から差し引ける金額となります。
〇保険料控除などを利用する節税方法
社会保険や生命保険、地震保険などの保険に加入している場合、保険料を多く支払っているかと思います。
そのような場合には、支払った保険料が所得控除として所得税の節税につながってきます。
年金や健康保険などの社会保険料については金額の上限がなく、国民年金の場合には過去の年金をまとめて支払った場合でも、支払った年にまとめて所得控除の適用を受けることが可能です。
また、生命保険料や地震保険料については、生命保険料控除は最高12万円までで、地震保険料控除は最高5万円までの所得控除の適用を受けることが可能となります。
〇住宅ローン控除による節税方法
住宅ローン控除とは、これまで解説してきた所得控除とは異なり、所得税から直接控除することが出来る、税額控除により所得税を安く抑えることが出来る節税方法になります。
住宅ローン控除は、銀行などから住宅ローンの借り入れをして、マイホームの購入や新築などした場合に、年末時点の住宅ローン残高に応じて所得税の税額控除を受けることが可能となります。
この住宅ローン控除は、新築物件であることや購入してから6カ月以内に居住していなければならないなどの要件があることに注意が必要です。
〇積立NISAによる節税方法
積立NISAとは、少額投資非課税制度といい、年間40万円までの投資額の範囲内で、最長20年間の長期の積立投資により得た利益が非課税となる制度になります。
この方法はこれまでの所得控除や税額控除による節税方法とは異なる方法による節税となります。
〇iDeCoによる節税方法
iDeCoとは、個人型確定拠出年金といいます。
iDeCoによって、税金が安くなるメリットは大別して2つ挙げられます。
・運用で得た利益に対する税額20%が非課税になるので、運用で得た利益をすべて享受することが出来る。
・支払った掛け金が全額、所得控除になるので、所得税や住民税を抑えることが出来る。
◆結論
以上、サラリーマンでも実践することが出来る節税方法を解説してきました。
積立NISAやiDeCoなどは、年金2,000万円問題の解決策として、政府公認の税制優遇となります。
今後、ますます我が国の財政が悪化していくと、自分の身は自分で守っていく必要があります。
そのためにも、自分自身で出来る節税方法がないか常にアンテナを張って、将来の備えをしていくべきです。