システムエンジニア(SE)・IT系フリーランスはクラウド会計を利用すべきか?【freee・マネーフォワード比較】

ITフリーランスやSEにとって、クラウド会計ソフト(freee・マネーフォワードクラウドなど)は便利なツールです。
実際、一般のフリーランスよりもSEやIT系の方のクラウド会計ソフトの利用率はとても高いです。
しかし、自分で経理を行う場合と、税理士に記帳代行を依頼する場合では、コストや手間のバランスが変わります。本記事では、それぞれのメリット・デメリットを具体的に解説します。
目次 ▲
結論から
クラウド会計は、自分で経理をする場合には強い味方になります。
一方で、税理士に記帳代行を依頼する場合は、クラウド会計ソフトの利用料が無駄になる可能性があります。
その理由は、ITフリーランス・SEの場合は取引者数は数社であり、経費もそれほど多くないため税理士に支払う記帳代行費用の方がクラウド会計の利用料+自分の時間コストよりはるかに安く済むケースが多いためです。
一番コスト高なのは、クラウド会計ソフトを会社側が準備して税理士に記帳代行してもらうパターンですね。
クラウド会計の代表例
- freee:初心者でも使いやすく、スマホアプリやレシート撮影機能が充実。銀行・クレジットカード明細も自動取得可能。
- マネーフォワードクラウド:会計・請求書・経費精算など周辺サービスとの連携が強み。freeeに比べて簿記の知識がある人向け。企業利用も多く安定性が高い。
自分でクラウド会計を利用する場合
メリット
- リアルタイムで収支状況を把握できる
- レシート撮影による電子保存で紙書類が減る
- 個人事業であれば青色申告65万円控除に対応し、確定申告もスムーズ
デメリット
- 年間数万円程度の利用料がかかる
- 簿記・仕訳の知識がある程度必要(クラウド会計側は簿記の知識が不要と言いますが実際は必要です)
- 本業の合間に経理作業を行う時間コストが発生
税理士に記帳代行を依頼する場合
メリット
- 経理にかける時間がゼロになる
- 専門家による処理で間違いがない
- 節税や資金繰りの相談がすぐできる
デメリット
- クラウド会計ソフト代が不要になる場合が多く、契約していると無駄になる
- 毎月リアルタイムで数字を確認するのは難しい
- 記帳代行費用が別途必要となる
どちらがコスト的に有利か?
自分で経理する場合は「クラウド会計利用料+時間コスト」、税理士に依頼する場合は「税理士報酬(記帳代行費込み)」がかかります。
ITフリーランス・SEの場合は取引件数が少ないため、税理士に任せた方がトータルコストが安くなることも多いです。
ただし、個人事業で自分で確定申告まで行う場合はクラウド会計から確定申告までやればコストとしては一番安く済むでしょう。
クラウド会計で自分がやる場合の注意点
クラウド会計で自分で経理する場合ですが、弊社の過去の経験上、クラウド会計で自分でやっているケースで間違わず記帳できていたケースは0件です。
大きな問題とならないケースから脱税になってしまっているケース、かなりの過大納税となっているケースまで様々・・
そこで簡単に確認してほしいいくつかの点を挙げておきます。
- 実際の預金残高と貸借対照表に計上されている残高があっているか?
- 貸借対照表と損益計算書のなかにマイナスとなっているものはないか?
- 自分が考えている売上と一致しているか?
- 経費の額は大体あっているか?
- 借入金がある場合は残債と借入金が一致しているか?
このあたりを確認してあっていない場合は、何かしらが間違っています。
ちなみに一番多いのは預金残のズレです。
原因は同期された明細を「無視」「除外」しているケースと口座間の振替が上手く経理できていないケースです。
まとめ
- 時間を優先するなら税理士に丸投げ
- コストを抑えつつ自分で管理するならクラウド会計
- freee・マネーフォワードクラウドは便利だが、目的を明確にして選ぶことが大切
自分の業務スタイルや取引件数に合わせて、「クラウド会計を使うのか」「税理士に任せるのか」を判断するのがベストです。