資金繰りが苦しい場合の改善方法とは?
倒産までに至らない会社であっても、資金繰りに苦労している経営者は数多く存在します。
資金繰りは、会社経営をする上で黒字倒産という言葉があるように、会社の売上は毎月計上されていても、
肝心のお金の回収が出来なければ事業を進めていくにあたってかかる仕入れや人件費、その他の経費を支払う事が出来ずに倒産してしまいます。
そのため、経営者は常にこの資金繰りを意識する必要があります。
今回はこの資金繰りの方法について、解説していきたいと思います。
目次 ▲
◆資金繰りの改善策
・資金繰り表の作成
資金繰りが苦しい場合、そもそも資金繰りが苦しくなってしまった原因を調べる事が今後の事業を進めていく上でも非常に重要となってきます。
よって、資金繰り表を作成し、何が原因なのか調べる事が最優先事項として挙げられます。
・コストの見直し
無駄なコストはないか、経営状況や手持ちのキャッシュに比べて、役員報酬や従業員の給与を多く払い過ぎていないか。
資金繰りが苦しい場合、このような事が起こっていないか検討する必要があります。
ただし、従業員の給与を大幅に減少させた場合、従業員のモチベーションにも繋がる為、給与の見直しについては慎重に検討すべきです。
・売掛金の回収サイトや買掛金の支払サイトの見直し
資金繰りが苦しい場合、自社の売掛金の回収サイトと買掛金の支払サイトを見直す事も重要です。
業種などにもよりますが、自社の回収サイトや支払サイトが一般的なサイトと比べて乖離しているのかどうかを見直してみるべきです。
もし、改善する必要があれば取引先と一度交渉してみる事をおすすめします。
・遊休資産の売却
これまで事業で使用していた固定資産のうち、現状使用していない固定資産を遊休資産と言います。
このような遊休資産を所有している場合、所有しているだけで毎年、固定資産税や保管コストがかかっている可能性もある為、
資金繰りが苦しい場合には遊休資産の売却を検討するのも資金繰りの改善策として、非常に有効な方法となります。
・借入金の返済額や返済期間の見直し
金融機関から融資を受けている場合、毎月の返済額の減額や返済期間の延長などを、
融資先に相談してみるのも資金繰りを改善する方法としておすすめです。
◆資金繰りの方法
・融資
金融機関と地方公共団体とが連携している制度融資や、政府金融機関である日本政策金融公庫から融資を受ける方法があります。
制度融資とは、会社のある市区町村が金融機関と連携している融資であり、一般的な民間の銀行に比べて金利が低く設定されているのが特徴です。
最近ではコロナウイルス関連で、利子が補給されるものもあります。
ただし、融資を受ける為には、一般的な民間の銀行と比べて時間もかかり、融資先の金融機関へ決算書の提出が必要になってきます。
決算書の内容次第で融資を受ける事ができるか否か判断される為、融資を受けやすい決算書を作成する必要があります。
・助成金や支援金などの活用
融資の他に、助成金や支援金を活用する方法もあります。
厚生労働省や経済産業省、地方自治体などが掲げている政策で、雇用調整助成金やIT補助金、
最近では新型コロナウイルス対策による助成金が数多く挙げられております。
これらは需給要件がある為、申請にあたり、税理士などの専門家へ相続する事がスムーズな対応となります。
◆資金繰りが苦しくても避けるべき事
資金繰りがうまくいかず、苦しい状況であっても避けるべき事があります。
・税金や社会保険料の滞納
資金繰りが苦しくても税金や社会保険料の滞納は絶対に避けるべきです。
税金を滞納した場合を例に説明すると、数年間税金を滞納していた場合、無申告となります。
無申告により、税務調査が入り、無申告重加算税含む多額の追徴課税となり、
資金繰りが苦しい上にさらに大きな資金が流出する事となります。
また、無申告により追徴課税を支払った場合、金融機関からの融資も受けられなくなり、
売掛債権の差押えや取引先から契約を切られるなど、最終的には破産する。
といった最悪の結末になります。
よって、税金の滞納は上記理由から避けるべきです。
・金利の高い消費者金融などから融資を受ける
資金繰りが苦しい状況になり、早急に資金が必要となった際に金利の高い消費者金融から融資を受ける場合、
高金利によりさらに資金繰りが悪化する事が予想されます。
また、消費者金融から融資を受けた場合、銀行から「資金繰りが苦しい会社」というイメージをあたえてしまい、
融資を受ける事が難しくなります。
そのため、高金利な消費者金融から融資を受ける事は避けるべき行為と考えられます。
◆まとめ
資金繰りが苦しくなった場合の改善策や資金を受ける方法、避けるべき事象について解説致しました。
近年は新型コロナウイルスにより、経営が苦しい会社も数多くあるかと思います。
資金繰りが苦しい経営者の方々のご参考になれば幸いです。