社長と会社のお金を混ぜるとどうなる?税務調査で否認される典型パターンとは

会社経営を始めて間もない時期や、少人数で運営している法人でよく見かけるのが、
「社長個人」と「会社のお金」の線引きが曖昧な状態。
例えばこんなこと、思い当たりませんか?
- 会社の口座から個人の生活費を引き出している
- 社長個人のクレジットカードで会社の経費を立て替えている
- 会社のお金で社長の家族旅行を支払ってしまった
一見、「あとで精算するから大丈夫」と思いがちですが、
この“混同”が積み重なると、思わぬ税務リスクや信用リスクに発展しかねません。
目次 ▲
なぜ「お金の混同」がNGなのか?
理由は大きく3つあります。
① 税務調査で「否認」されるリスク
税務署は、社長への“役員賞与”や“貸付金”の扱いとして課税してきます。
たとえば、会社から生活費を引き出した場合、それを経費にしていたらアウト。
→ 否認 → 法人税の加算課税 → 過少申告加算税・延滞税 という流れもあり得ます。
② 会社の信用低下
会社の決算書に「役員貸付金」「仮払金」などが多いと、銀行や外部からの印象が非常に悪くなります。
資金繰りが厳しい会社、または経理が杜撰な会社と見なされます。
③ 役員報酬の“経費化”ができない可能性も
個人で立て替えていた経費をあとから会社で支払った場合、
その処理を誤ると「追加の役員報酬」とみなされ、損金(経費)として認められないことも。
トラブルを防ぐための3つの鉄則
- 会社の口座と社長個人の口座を完全に分ける
→ 生活費の支出や個人のクレカ利用を会社経由で行わない - 精算処理は月次で明確に行う
→ 仮払金・立替金はその都度内容を明確にし、精算書で対応 - 会社の支出=“法人に必要な経費”であることが原則
→ 社長の趣味や家族の支出は、原則アウト!
まとめ|「混ぜるな危険!」は経理にも当てはまる
会社と社長はあくまで「別人格」。
たとえ一人会社であっても、会計と税務の世界では「明確な線引き」が求められます。
特にこれから銀行融資や投資家対応、税務調査を控えている会社は、
今からでも“線引き”を意識したお金の管理をはじめましょう。
おまけ:よくある質問
Q. 法人口座が足りなくて社長のカードで立て替えてます…どうしたら?
→立替経費の明細とレシート、立替金の清算書を都度作成すればOKです。
ただし、定期的に“清算”されていないと問題になります。
お困りの方へ
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