動物病院はインボイス登録が必要?

2023年10月から始まったインボイス制度(適格請求書保存方式)。
「うちの動物病院もインボイス登録って必要なの?」「登録しないとまずいのかな?」とお悩みの先生へ、わかりやすく解説します。
目次 ▲
インボイス制度とは?かんたんにおさらい
インボイス制度とは、消費税の仕入控除を受けるために「登録された事業者からの請求書(インボイス)」が必要になる制度です。
この「登録された事業者」になるには、税務署へ申請して“インボイス登録”する必要があります。
動物病院はインボイス登録しなきゃいけない?
結論から言うと、インボイス登録は義務ではありません。
ただし、取引先の内容や今後の見通しによっては、登録しておいた方が安心な場合もあります。
登録した方がいいケース
以下のような場合は、インボイス登録を検討しましょう。
保険会社など法人との取引がある場合
例:
- ペット保険を使って、保険会社に請求することがある
- 他の会社(例:訓練施設や研究機関など)と動物医療の契約がある
こうした法人は、インボイスがないと取引先が消費税の控除ができないため、「インボイス登録してますか?」と聞かれることがあります。
今後売上が1,000万円を超えそうな場合
今は免税事業者でも、将来的に課税事業者になる見込みがあるなら、
早めにインボイス登録しておくと、後の手続きがスムーズです。
登録しなくても問題ないケース
以下のような場合は、必ずしも登録する必要はありません。
飼い主さん向け診療が中心(個人相手)
動物病院の多くは、飼い主さんという個人の方がメインのお客様だと思います。
この場合、お客様はインボイスの必要がないため、登録しなくてもまったく問題ありません。
年間売上が1,000万円以下で、消費税を納めていない(免税事業者)
今インボイス登録をすると、消費税の納税義務が発生し、手元に残るお金が減ることもあります。
特に開業したばかりの先生や、経費が少ない場合は、負担が大きくなる可能性があります。
判断のポイントまとめ
以下の表を参考にしてみてください。
状況 | 登録の必要性 |
---|---|
保険会社など法人と取引が多い | 登録した方がよい |
個人の飼い主さんが中心 | 登録しなくてもOK |
売上が1,000万円を超える見込み | 登録を検討 |
現在は免税事業者で、税負担を抑えたい | 登録は慎重に |
判断に迷ったら…
インボイス制度は分かりにくい点も多く、判断を間違えると利益が減ってしまったり、取引先に迷惑をかけてしまうこともあります。
「うちはどうすればいいの?」という場合は、顧問税理士や専門家に相談するのが一番確実です。
当事務所でも、動物病院の先生からのご相談を多くいただいています。
制度の仕組みから、実際に登録すべきかどうかのシミュレーションまでサポートできますので、お気軽にご相談ください。