動物病院にはトリマーを併設すべき?【開業前に検討したいポイント】

動物病院の開業や経営を検討する際、「トリミングサロンの併設」はよくあるテーマの一つです。今回は、動物病院にトリマーを併設するメリット・デメリットや、併設する際の注意点について解説します。
トリマー併設のメリット
1. 収益の多様化が図れる
診療だけではなく、トリミングサービスからの収益も得られるため、経営が安定しやすくなります。
特に健康なペットの飼い主とも継続的な関係が築ける点が魅力です。
2. 新規顧客との接点を増やせる
トリミングを利用する中で動物病院の存在を知ってもらえるため、「まずはトリミングから」という顧客の導線が作れます。
3. 皮膚病などの早期発見につながる
トリマーが施術中に異変を見つけることで、早期に獣医師にバトンタッチでき、予防医療としての役割も果たします。
トリマー併設のデメリット
1. 人材の確保が難しい
獣医師同様、トリマーも慢性的な人材不足です。優秀なスタッフを安定的に雇用・育成できるかが課題となります。
2. 施設の設計・運営コストが増える
洗い場やドライヤーなど、トリミング専用の設備やスペースが必要になるため、初期投資が膨らみます。また、騒音や毛の飛散によるクレーム対応も想定されます。
3. 業務範囲が広がる
診療業務に加えてトリミングの管理も必要となるため、運営の手間が増えます。経営者としての視点がより重要になります。
併設する際の注意点
- 料金体系を明確にする
診療とトリミングの料金を別に設定し、会計時に混乱が生じないようにしておく必要があります。 - スタッフ間の連携体制の整備
トリマーと獣医師が情報を共有できるようにしておくことで、サービスの質が向上します。 - 予約管理の一元化
ダブルブッキングや顧客対応の混乱を防ぐために、予約システムは統合されている方が望ましいです。
結論:戦略的に「あり」
すべての動物病院にトリミング併設が向いているとは言い切れませんが、「飼い主との接点を増やしたい」「安定した収益を確保したい」という方には非常に有効な選択肢です。地域のニーズやスタッフ体制を見極めたうえで、導入を検討してみてはいかがでしょうか?