【動物病院の税務】同業者との飲食費は経費になる?正しい処理と注意点を解説

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会食・情報交換・懇親会…その飲食代、落として大丈夫?
動物病院の経営をされている院長先生にとって、同業者との情報交換やネットワークづくりはとても大切な仕事のひとつです。学会や勉強会の後、あるいは地域の獣医師仲間と症例を共有するような懇親の場で、食事代や飲食費が発生することもあるでしょう。
そこで今回は、「同業者との飲食費は経費にできるのか?」というテーマを、動物病院の税務に特化した視点でわかりやすく解説します。
同業者との飲食費は経費になる?【結論から】
税務上の基本的な考え方として、飲食費は**「事業に必要な支出であるかどうか」**で判断されます。
つまり、同業者(獣医師仲間など)との食事でも、事業に関連した打ち合わせや情報交換の場であれば、交際費や会議費として経費に計上することが可能です。
ただし、次のようなポイントを押さえておくことが重要です。
経費として認められるケースとは
こんな飲食費は落としてOK
以下のようなケースであれば、飲食費を「事業関連の支出」として経費にできる可能性が高いです:
症例共有や治療法に関する情報交換
例)避妊手術後の合併症について、別の動物病院の先生と意見交換をしながらのランチ。
共同での業務提携・紹介制度の打ち合わせ
例)近隣の獣医師との「夜間診療の連携」に関する会食。
スタッフ採用や人材についての相談
例)人手不足を共有しながら、求人の工夫や紹介体制を話し合った場。
これらは**「経営判断」や「業務効率の向上」など、事業上の合理的な目的がある飲食費**として、税務上の根拠を持てます。
経費にならないケースに注意
プライベートな飲み会はNG
一方で、以下のような飲食費は税務上、経費として否認されるリスクが高いです:
目的が不明確な親睦会や雑談中心の飲み会
「たまには集まって飲もうよ」だけの会食では、事業との直接的な関係が説明しにくいためNG。
単なる友人としての付き合い
獣医師であっても、業務に関係のない私的な交友関係なら、飲食費は経費にできません。
会話の内容が記録されていない
税務調査で「どんな打ち合わせだったのか」が説明できないと、プライベートと見なされる可能性が高くなります。
会議費と交際費の違いとは?
金額と目的によって処理が変わる
同業者との飲食費を経費計上する際、勘定科目として使われるのが「会議費」か「交際費」です。
勘定科目 | 内容 | 税務上の扱い |
---|---|---|
会議費 | 軽食・お茶代など、1人5,000円以下の打ち合わせ飲食 | 原則全額損金算入OK |
交際費 | 会食や接待的要素のある食事、1人5,000円超の飲食代 | 資本金1億円以下の法人は年間800万円まで損金算入可能 |
**「1人5,000円以下かどうか」**が会議費として認められるかのボーダーラインになります。
税務調査で見られるポイント
記録の残し方が大切
税務署は「同業者との飲食費」に対して慎重にチェックを行います。経費として認められるためには、以下の情報を領収書やメモとセットで残しておくことが重要です。
記録すべきポイント
- 日付・店名・金額(領収書)
- 同席した相手の氏名・病院名(名刺を添付するとベター)
- 飲食の目的(例:「夜間診療の連携に関する打ち合わせ」)
※「症例の話をした」「採用について相談した」など、一言でいいので内容の記録があると安心です。
まとめ:目的を明確にして、正しく処理しよう
獣医師同士の飲食費も、立派な経営活動です
動物病院の院長先生にとって、他の獣医師とのネットワークづくりは非常に大切な業務の一部です。
その中で発生する飲食費も、目的が明確で業務に関係していれば、しっかり経費として処理できます。
ただし、「同業者=友人」と見られがちなのも事実。税務署に説明できるよう、記録を丁寧に残すことが、経費として認められるカギになります。
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当事務所では、動物病院専門の税理士として、業界特有の経費処理や節税、資金繰りのサポートを行っています。
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