起業・開業に必要な書類、準備するものとは?
近年、これまで勤務していた会社を辞めてフリーランスなどの個人事業主として活動していく人が増えております。
会社で勤務していると、勤務時間を拘束されてしまうなど自由に働く事が出来ないため、個人事業主として自由な時間に働きたい人が増えているため、個人事業主の数は年々増加しております。
個人事業主として活動するにあたって、開業するために必要な書類や開業資金などさまざまなものが必要になります。
今回はこれから個人事業主として活動するために必要な書類や開業するまでに準備すべき内容について解説していきたいと思います。
目次 ▲
◆企業・開業するときに必要な書類
会社に勤務している場合には税務署へ提出すべきものは全て会社側で対応していたが、個人事業主として独立した場合には全て自分でやらなくてはなりません。
開業するにあたり、税務署へ提出すべき書類がいくつかありますので以下では提出が必要な書類について紹介していきます。
・個人事業の開業・廃業届出書
こちらは開業した事の事実を税務署へお知らせする書類になります。
具体的には、新たに事業を開始したとき、事業用の事務所・事業所を新設、増設、移転、廃止したときまたは事業を廃止したときに提出が必要になります。
提出期限は、提出期限に間に合わなくても特に罰則はありませんが、原則として開業した日から1ヶ月以内になっております。
・青色申告承認申請書
この青色申告承認申請書は、青色申告の承認を受けようとする場合に提出が必要になります。
青色申告により税務申告書を提出することにより、青色申告特別控除が適用できたり、純損失の繰越しや繰り戻しが適用できたり、さまざまなメリットを受けることができます。
この申請書の提出期限は、青色申告書による申告をしようとする年の3月15日までに提出する必要があります。
ただし、その年の1月16日以後、新たに事業を開始したり不動産の貸付けをした場合には、その事業開始等の日から2月以内に提出する必要があります。
・給与支払事務所等の開設届出書
給与支払事務所等の開設届出書とは、従業員を雇用して給料を支払う場合に必要な届出書で、従業員を雇用してから1月以内に所轄税務署に提出する必要があります。
・源泉所得税納期の特例の承認に関する申請書
従業員を雇用して給料を支払う場合、給料に対する源泉所得税を納付する必要があります。
この源泉所得税の納付時期は、原則として給料を支払った月の翌月10日になります。
しかし、源泉所得税納期の特例の承認に関する申請書を事業を開始した日から1月以内に所轄税務署へ提出する事によって、源泉所得税の納付時期が7月10日と1月20日に源泉所得税を納付すれば良い事になります。
なお、この申請書がみと認められるのは給与の支給人員が常時10人未満であるといった要件もあるので注意が必要です。
◆開業するときに用意するもの
開業時に必要な届出関係は上述した通りとなりますが、その他に用意しておくべき内容としては下記の通りです。
- 国民健康保険へ加入
- 国民年金へ加入
- 営業許可を得ておく
- 事業用のクレジットカードを作成する
- 事業用のホームページを作成する
- 名刺を作成する
上記のうち、国民健康保険への加入は会社員から個人事業主へなった場合、退職日の翌日にこれまで加入していた健康保険の資格が喪失されます。
そのため国民健康保険への加入は、退職日の翌日から2週間以内に管轄の市役所へ加入手続きを行う必要があります。
また、国民年金への加入は、会社員の場合、厚生年金に加入していますが、個人事業主になると自分で国民年金に加入するのが原則になります。
脱退手続きについては会社でやってくれるので、管轄の市役所で国民年金の加入手続きも必要となります。
◆開業届の記載内容と提出方法
会社員がフリーランスなどの個人事業主として活動するにあたり、開業届を提出する必要があるのは上述した通りです。
ここでは開業届の記載内容や提出方法について解説します。
開業届の記載内容は下記項目が挙げられます。
- 提出日と提出先である管轄税務署納税地・住所
- 氏名・生年月日・個人番号
- 職業・屋号
- 届出の区分・所得の種類
- 事務所等を新設した日
- 開業に伴う届出書の提出の有無
- 事業の概要
- 給与等の支払の状況
提出方法としては、管轄税務署の窓口で直接提出する方法の他に、郵送やe-Taxによる提出をすることが可能になります。
◆結論
以上が会社員が個人事業主として開業した場合に用意すべき内容と必要書類になります。
近年は自由な働き方を求める人が増えてきており、それに伴い、開業している人も増えてきております。
これまで会社勤めだった人の場合、税金や社会保険関係は全て会社側で対応してもらえてましたが、個人事業主となる場合には全て自分で対応していく必要があります。
これから個人事業主として活動しようと考えている人にとって、本稿が参考になれば幸いです。