ひとり社長の社員旅行は経費にできる?研修旅行ならOK?

ひとり会社を経営している方から時々いただく質問に、
「社員旅行を経費にできますか?」というものがあります。
結論から言えば、原則はNGです。ただし、研修であれば認められる可能性があります。
この記事では、ひとり社長の社員旅行が認められない理由や、研修旅行としての取り扱い、実際に経費にする際の注意点について解説します。
社員旅行は“福利厚生”の一環
社員旅行とは、あくまで従業員の慰安や福利厚生を目的としたものです。
税務上、福利厚生費として認められるには以下のような条件があります。
- 旅行の期間が4泊5日以内
- 従業員の50%以上が参加していること
- 社会通念上妥当な費用であること(贅沢すぎない)
- 慰安を目的としていること
つまり、一人しか従業員がいない(=社長だけ)場合、そもそも「福利厚生」が成立しないのです。
自分への福利厚生は認められないのか!という声が聞こえてきそうですが認められません。
福利厚生は従業員の福利厚生であって社長やその親族に福利厚生という概念は存在しませんので注意が必要です。
では「研修旅行」なら経費にできる?
はい、業務上必要な研修旅行であれば、一定の要件を満たすことで経費にできます。
たとえば、以下のようなケースです。
- 海外の業界展示会や商談会に参加
- 視察を目的とした現地訪問(顧客企業や工場など)
- 同業者との勉強会・セミナー参加
ただし、旅行要素が強すぎたり、実態が伴わないと「単なる旅行」と判断される恐れがあります。
研修旅行と言いつつその大半は観光をしていたような場合は認められません。
例えば、新幹線で現地について、そのままタクシーで研修会場へ研修が終わったらそのままタクシーで駅へ行き新幹線で戻ってきた。
というケースだと認められます。
空いている時間で観光した分は案分が必要、ケースによっては不可となります。
■ 研修旅行として経費にするためのポイント
- 目的・日程・訪問先を明確に記録
- 出張計画書、旅程表などを作成
- 実際の参加内容を記録
- 名刺、写真、パンフレット、セミナー資料などを保管
- 業務との関連性を説明できるようにする
- 出張報告書のようなものがあると安心です
これらを整えておけば、税務調査で説明が求められた際にも対応しやすくなります。
■ まとめ:慰安目的はNG、業務目的は要件次第でOK
- 「社員旅行」は福利厚生が前提 → ひとり社長では原則NG
- 「研修旅行」は業務関連性があれば経費にできる可能性あり
- 証拠や記録をしっかり残しておくことが重要
社員旅行はリフレッシュにもつながりますが、経費として落とせるかは別問題です。
ひとり社長の会社又は親族経営のみの会社で社員旅行尾は基本的には「家族旅行」です。
税務署も家族旅行だという認識でみてきますので、かなり注意が必要なものになります。
ご自身の会社や事業にとって、正しく位置づけられる出費なのか、慎重に判断しましょう。