川端税理士事務所|秋葉原

インボイス登録の取り消し手続きを徹底解説!提出期限や注意点は?

「インボイスに登録したけれど、やっぱり免税事業者に戻りたい」「売上が減ったので登録を取り消したい」と考えていませんか?

インボイスの登録取消手続きは、「ただ書類を出せば終わり」ではなく、登録した時期によって「すぐ免税に戻れるか(消費税が免除されるか)」が変わるため、非常に複雑です。

この記事では、国税庁の公式資料に基づき、インボイスの取り消し手続きの流れ、提出期限、そして多くの人が勘違いしやすい「2年縛り」の注意点について分かりやすく解説します。

インボイスを取り消す2つのケース

インボイスの登録を取り消す理由は、大きく分けて以下の2つのパターンがあります。パターンによって提出する書類が異なります。

ケース理由提出する書類
① 登録の「取消」売上高が1,000万円以下になり、免税事業者に戻りたい場合適格請求書発行事業者登録取消届出書
② 登録の「失効」個人事業主の廃業、法人の解散などの場合適格請求書発行事業者登録の効力消滅届出書

※この記事では、主に多くの方が該当する「① 免税事業者に戻るための取消手続き」について解説します。

いつ免税に戻れる?提出期限と「2年縛り」のルール

インボイスの登録取り消しは、書類を出してすぐに適用されるわけではありません。

原則として「翌課税期間(個人の場合は翌年1月1日)」から登録を取り消すことができますが、書類の「提出期限」が厳格に決まっています。

さらに、登録した時期によっては「インボイスは辞められても、消費税の納税義務がすぐには免除されない(2年縛り)」という強力なルールが存在します。

ご自身がどちらのパターンに該当するか必ずチェックしてください。

インボイス開始当初(令和5年10月1日を含む期)に登録した人

制度がスタートした当初(主に2023年中)から登録していた人は、この2年縛りの対象外です。

翌年の1月1日から免税事業者に戻りたい場合、提出期限は 12月17日 となります。

  • 12月17日までに「取消届出書」を提出 ➔ 翌年1月1日からインボイスが廃止され、免税事業者に戻れます。
  • 12月18日以降に提出 ➔ 翌々年の1月1日まで登録を取り消すことができません。

⚠️ 注意!期限の延長はありません

国税庁のルールでは、この12月17日の期限が土日祝日の場合であっても、翌営業日への期限延長はありません。(郵送の場合は12月17日の消印有効)。1日でも遅れると丸々1年間、登録を維持しなければならなくなるため、スケジュールには余裕を持って行動しましょう。

それ以降(令和6年以降など)に免税事業者から登録した人【2年縛りあり】

制度開始後しばらく様子を見てから、令和6年(2024年)以降に免税事業者からインボイスに登録した人の場合、インボイスの「登録日」から2年を経過する日の属する課税期間の末日までは、基準期間の売上高にかかわらず消費税の納税義務が免除されないというルール(2年縛り)が適用されます。

ここが非常に勘違いしやすいポイントですが、「登録の取り消し(インボイスの廃止)」自体は12月17日までに書類を出せば翌年から可能ですが、登録を辞めても消費税の納税義務だけが残ることになります。

国税庁の資料にある、具体的なスケジュール例を見てみましょう。

個人事業主が「令和6年2月1日」にインボイス登録した場合

  1. 登録日: 令和6年2月1日
  2. 2年経過する日: 令和8年1月31日
  3. 2年経過日の属する課税期間の末日: 令和8年12月31日

💡 つまり、法律上、令和8年12月31日までは強制的に「納税義務あり(課税事業者)」のままとなります。

もしこの人が、令和6年12月17日までに取消届出書を出した場合、令和7年1月1日からインボイスの登録(登録番号)自体は消去できます。しかし、上のルールがあるため、売上が1,000万円以下であっても、令和7年分・令和8年分は消費税を申告・納税しなければなりません。

通常の免税事業者(消費税の免除)に戻れるのは、令和9年1月1日からとなります。

このように、令和6年以降に登録した方は、「インボイスを辞めてもすぐに消費税が免除されるわけではない」という点に最大の注意が必要です。

インボイス取消手続きの3ステップ

手続き自体はそれほど難しくありません。基本的には以下の3ステップです。

ステップ1:必要書類の準備

国税庁のホームページから「適格請求書発行事業者登録取消届出書」のPDFをダウンロードするか、e-Tax(電子申告)を利用します。

ステップ2:書類の作成・提出

必要事項(登録番号、氏名・納税地、取り消したい時期など)を記入します。提出方法には以下の2つがあります。

  • e-Taxで提出(おすすめ): 画面の指示に従って入力するだけなので簡単で、処理も早いです。
  • 郵送で提出: 管轄の「インボイス登録センター」へ郵送します(税務署の窓口ではありません)。

ステップ3:通知の確認

手続きが完了すると、税務署から「登録取消通知書」が届きます(e-Taxの場合はメッセージボックスに届きます)。これで無事に手続きは完了です。

取り消し手続きの3つの注意点

インボイスを辞める前に、以下のポイントを必ず確認しておきましょう。

取引先への事前連絡は必須

インボイスを辞めると、取引先(買い手側)はあなたからの請求書で「仕入税額控除」ができなくなります。取引先の税負担が増える(または事務負担が増える)可能性があるため、事前に「〇月から免税事業者に戻ります」と伝えておくのがマナーです。

請求書・領収書のフォーマットを変更する

免税事業者に戻ったら、これまで請求書に記載していた「登録番号(Tから始まる13桁の番号)」を削除しなければなりません。免税事業者が登録番号を記載し続けると、法律違反(虚偽記載)になる恐れがあります。

取消後、再度登録する場合は「再登録」が必要

一度インボイスを取り消したあと、「やっぱりもう一度インボイスが必要になった」という場合は、改めて「登録申請書」を提出し直す必要があります。その際、再び登録番号が発行されるまでには一定の時間がかかります。

まとめ:スケジュールと納税義務の確認はお早めに!

インボイスの登録取り消しは、手続き自体はシンプルですが、「12月17日という厳しい提出期限」と、「登録時期による2年間の納税義務の縛り」という2つの罠があります。

「本当に今辞めても大丈夫か」「次の確定申告はどうなるか」をしっかり見極めた上で、計画的に手続きを進めましょう。不安な場合は、事前に管轄の税務署や税理士へ相談することをおすすめします。

※本記事は執筆時点の税制に基づいています。実際の申請にあたっては、国税庁の最新情報をご確認いただくか、税理士等の専門家へご相談ください。

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